現在の研究課題

1.近世城下町の設計原理に関する研究(1996年から現在)

本研究は近世城下町の設計原理の解明を目的として次の3課題を明らかにすることを目標とした。(1)城郭の位置決定法(2)城郭・城下町の主要施設の配置法(3)町割・街路の線引きの方法である。以上の研究課題に対して次の4仮説をたててこれを実証する方法とした。(1)城郭の中心天守の位置決めは城主崇敬の古社古刹と視軸を用いて決定されたのでは、(2)天守の位置決めは城主崇敬の古社古刹とα三角形60間モデュールを用いて決定されたのでは、(3)城郭・城下町の主要施設(軍事施設と社寺)の配置は視軸とα三角形60間モデュールを関連づけて配置されたのでは、(4)町割を決定づけた街路の線引きは天守など主要施設を基点としたヴィスタ並びに視軸とα三角形60間モデュールを関連づけて計画されたのでは。以上、独創的な仮説をたててこれを実証した。その研究結果の概要を次に列挙する。(1)視軸によって天守位置が決定されたのは長浜や中津等織豊系の城下町に際立っており、α三角形60間モデュールによって天守位置が決ったのは篠山や伊賀上野など藤堂高虎の設計に際立ち、慶長141609)年以後この方法が主流になった。(2)天守を基点に視軸によって軍需施設(門櫓)が配置され、一方、城主崇敬の社寺は天守を基点にα三角形60間モデュールによって配置する方法が特徴的にみられた。(3)町割は天守からのヴィスタで本町などの基軸が設定された場合(長浜等天正〜慶長初期)と、主要施設からのヴィスタによって町割の基軸が設定された場合(伊賀上野・明石等慶長14年以後)、α三角形60間モデュールの適用(中津、府内)に類型化される。(4)築城期における設計技法の考察からダイナミックな変化が明らかになり、また原町割からの変容過程の考察からその変容の法則性を解明しえた。一応の研究成果は得られたが、200余の城下町で史料収集と調査はできたもののここに収めることが出来たのは管見に触れた27城下町に止まっており、以後の課題として残された。

科学研究費補助金交付研究(H15-18年度) 基盤研究(C(2) 課題番号 15560553

[著書:「小倉城下町調査報告書 第2章藩政時代の城と城下町」北九州市 1997.3]

Key words近世城下町、設計原理、縄張、地選、√2、三角形、モデュール、ヴィスタ

2.集落の空間構成原理に関する研究(他大学等との共同研究 1997年より現在)

本研究は集落の原型が比較的よく残っている奄美大島の集落を対象として、集落および民家の空間構成を把握し、その空間構成原理を究明することを目的とする。

著書:永田隆昌:「奄美大島における集落・民家の空間構成原理に関する研究」2006.3

Key words分棟型民家、配棟形式、平面構成、配置構成、空間秩序

一定の研究成果を得た研究テーマ

1. 住環境整備のための街区・敷地計画に関する研究

 本研究は、住宅市街地において、日照や庭の形成、緑被など、住宅の周りの相隣環境を整備するための街区・敷地計画のあり方を考察することを目的とした。そのため本研究では、次の2つに視点を置いて研究を進めた。
@住宅市街地の形成過程における形態的特性に視坐を置き、街区・宅地割の原型を解明し、その原型の変容過程を通して、かつての街区・宅地割の特性が現市街地にどう影響し、変質しているかを明らかにすることに置いた。
A相隣環境の主要な構成要素とそれらに対する住民の評価との関係について、密度を用いて解明することに視点を置いて解明した。1975-1989

[著書:「住環境整備のための街区敷地計画に関する研究 北九州地域における街区・宅地割の変遷と相隣環境の整備に関する研究」,1989

 Key words:住環境、街区割、宅地割、密度、戸数密度、敷地規模、城下町、宿駅、変容過程、町割

2. 民家建築の空間構成と聖性に関する研究

 本研究は、生活領域に内在する共通観念としての聖性が民家および集落の空間構成にどのように影響しているかを解明することに主眼を置いた。それだけに本研究では、@民家の空間構成、およびA民家の集合体である集落の空間構成と聖性との関連の2つの視点より論考した。
他大学等との共同研究1990-1997

[著書:松永達「対馬の民家および集落の空間構成と聖性に関する研究」1997

 Key words:対馬の民家、空間構成、聖性、祭儀、平柱、指向性、群倉、対馬集落、聖俗穢、カミ・シモ

  最近4年間の著書論文研究発表等

著書論文の名称               単著共著 発表年月 発行所等       担当頁数

[著書]

行橋市史通史中巻(中世近世建築美術編)      単著  200603  行橋市       PP.413-443

第4編第4章藩政時代の産業・経済・交通第1節街道と宿駅、第2節古図に見る行橋

                                               近世城下町の設計原理に関する研究          単著 2007.10  西日本工業大学 
平成15年度ー平成18年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書


近世城下町の設計技法 視軸と神秘的な三角形の秘密 単著  2008.8  技報堂出版

城と城下町 築城術の系譜             単著  2009.7  技報堂出版    

[論文]

広島城下町の設計技法に関する研究        共著  2006.7 西日本工業大学紀要弟36号 PP.63-70
明石城下町の設計技法に関する研究        共著  2006.7 西日本工業大学紀要弟36号 PP.71-76     
黒田官兵衛の城と城下町における設計技法     共著  2008.9 西日本工業大学紀要弟38号 PP.73-82    
藤堂高虎縄張の城郭城下町に見る設計技法     共著  2008.9 西日本工業大学紀要弟38号 PP.83-91        
黒田官兵衛の城郭・城下町に与えた豊臣秀吉の影響 共著  2009.8 日本建築学会計画系論文集第74巻第642号pp.1759-1765                                                   

[学会講演]

三原城下町の設計技法(1)(2)         共著  2006.5 日本建築学会四国支部研究報告第6号 PP.61-64 
明石城下町の設計技法(1)(2)         共著  2006.5 日本建築学会四国支部研究報告第6号 PP.65-68 
北辰北斗信仰とα三角形              共著  2006.5 日本建築学会四国支部研究報告第6号 PP.69-70 
視軸による城下町設計              共著  2007.3 日本建築学会九州支部研究報告第46号PP.285-288  
萩城下町の設計技法               共著  2007.3 日本建築学会九州支部研究報告第46号PP.289-292
姫路城下町の設計技法              共著  2007.3 日本建築学会九州支部研究報告第46号PP.293-296
宇和島城下町にみる藤堂高虎の設計技法      共著  2007.5 日本建築学会四国支部研究報告第7号 PP.59-60
黒田官兵衛の城下町にみるα三角形         共著  2007.5 日本建築学会四国支部研究報告第7号 PP.61-62
城下町設計における妙見信仰の影響        共著  2007.5 日本建築学会四国支部研究報告第7号 PP.63-64
津城下町における藤堂高虎の設計技法       共著  2008.3 日本建築学会九州支部研究報告第47号PP.273-276
聚楽第の設計技法                共著  2008.3 日本建築学会九州支部研究報告第47号PP.277-280
城郭城下町における主要施設の配置技法の変化   共著  2008.3 日本建築学会九州支部研究報告第47号PP.281-284
豊臣期大阪城の天守位置決め手法         共著  2009.3 日本建築学会九州支部研究報告第48号PP.301-304
豊臣期大阪城の町割手法             共著  2009.3 日本建築学会九州支部研究報告第48号PP.305-308
徳川期大阪城における藤堂高虎の設計技法     共著  2009.3 日本建築学会九州支部研究報告第48号PP.309-312
設計技法の変容                 共著  2009.3 日本建築学会九州支部研究報告第48号PP.313-316
     

社会的活動等

委嘱された公共機関の役職

福岡県行橋農林事務所環境情報協議会委員,行橋市公共事業再評価委員会委員,行橋市文化財調査委員, 行橋警察署協議会委員,苅田町環境審議会委員,苅田町マスタープラン策定研究会委員,苅田町総合計画審議会委員,苅田町後期基本計画審議会委員,苅田町公共事業再評価委員会委員,みやこ町都市計画審議会委員,福岡県建築士会行橋京都支部顧問等,

講演依頼等

「中津城下町の設計の謎を解く」中津地方文化財協議会,豊前歴史倶楽部,豊津町歴史民俗資料館友の会
「小倉城下町の設計の謎を解く」北九州市歴史博物館,西日本工業大学公開講座知識の扉
「徳島城下町の設計原理」徳島市立博物館 徳島城址を愛する会
「近世城下町の設計原理・小倉中津城下町を中心に」美夜古郷土史学校
「近世城下町の神秘-なぜそのようにつくられたか-」日本私立大学協会
ほか

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本報告書は「国立国会図書館関西館」http://www.ndl.go.jp/jp/service/kansai/に蔵書の他、西日本工業大学図書館http://www.nishitech.ac.jp/library/index.htmlにも蔵書しております

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